遺伝学雑誌
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梨及桃に於ける芽條變異
榎本 中衞柿崎 洋一
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1922 年 1 巻 2 号 p. 107-116

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抄録
1. 著者等は新潟縣下に於て、芽條變異の起りたるもの梨「長十郎」種に二例、同「早生赤」種に五例、桃「離核蜜」種に一例を發見し、内梨「長十郎」種の一例及桃「離核水密」種の例に就きて、親枝、變異枝及び變異枝を接木に依りて繁殖せるものゝ諸形質に關する調査を行ひたり。
2. 調査を行ひたる梨「長十郎」種の芽條變異は葉、花、果實第に於ける各種器官の量的形質は多く増加の傾向を示し、風味、香氣等の諸性質に就きても著るしき變異を示す。
3. 桃「離核水密」種の芽條變異は果實の早熟性にして、所出親枝に比し十日乃至二週間早熟なり、而して其他の諸形質に就きては明瞭なる差異あるを認あず。
4. 以上兩者共變異枝を接木に依りて繁殖するも、其變異形質を完全に維持せり。
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