遺伝学雑誌
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ANALYSIS OF THE KARYOTYPES IN YUCCA, AGAVE AND THE RELATED GENERA WITH SPECIAL REFERENCE TO THE PHYLOGENETIC SIGNIFICANCE
Dyuhei SATO
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1935 年 11 巻 5 号 p. 272-278

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抄録

キミガヨランとリウゼツランの類似してゐるのは分類學者も認める所であるが子房が上位か下位かの差によつて前者はユリ科に分類され後者はヒガンバナ科に分類されてゐる。著者はキミガヨランに近縁の屬とリウゼツランに近縁の屬の根端細胞より核型を分析して其の見地から之等の二群の近縁關係を指摘した。
ユリ科に屬する Yucca, Hesperoyucca, Hesperoaloe, Cleistoyucca 及び Samuela はヒガンバナ科のリウゼツラン亞科に屬する Agave, Fourcroya, Polianthes 及び Beschorneria と全然同じ核型所謂 Yucca-Agave 核型を有してゐる。是は偶然の符合とは見做し難い。ユリ科に屬する Dasylirion, Nolina, Dracaena 及びヒガンバナ科のリウゼツラン亞科に屬する Doryanthes とは別の核型の群をなしてゐる。リウゼツラン屬には 2n=60, 120, 150 のものがあつて倍數性を示し, この核型の安定なることを示唆する。

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© The Genetics Society of Japan
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