抄録
(1) イエバエの野生型と黒蛹型の蛹では, β-アラニンの合成能に相違がある. これはアスパラギン酸からのβ-アラニン合成系の相違によるものである. 黒蛹型の蛹では, アスパラギン酸 α-脱炭酸酵素活性の欠損を暗示する実験結果が得られた.
(2) ウラシル, オロチン酸, カルバミルアスパラギン酸からの β-アラニンの生成は, イエバエの野生型および黒蛹型のいずれの蛹でもみられ, 量的な相違は認められなかった. 黒蛹型囲蛹殼で野生型の場合の約10分の1量検出される β-アラニンは, この経路によるらしい.
(3) イエバエの野生型および黒蛹型の蛹における β-アラニンの分解および殼への固定能には著しい系統差がなく, 囲蛹殼中 β-アラニン量の相違は β-アラニン合成量の相違によることがわかった.