遺伝学雑誌
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インドハマユフの裸胚形成に就て
富田 廣五郎
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1931 年 7 巻 1-2 号 p. 24-29

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抄録
一) 普通の種子の形成に就て。
イ) 胚嚢母細胞の第一回の核分裂が異型的で、單數染色體は12である。
ロ) 完成された胚嚢の構造は、全く正常の通うであう、胚乳の形成は遊離核型によつてなされる。胚乳細胞の核分裂に於ては、トリプロイドの染色體を認め得る。
ハ) 胚珠には最初から珠皮を缺いて居る。珠心組織は胚乳に依つて次第に吸收されてしまふから、此の植物の種子の胚乳は全く裸である。
ニ) 裸胚の形成に就て。
イ) 裸胚は授精された卵細胞から、胚乳の形成を伴ふことなしに、生ずるのである。
ロ) 珠心組織は胚の成長につれて、次第に吸收きれるから、出來上つた胚は、完全に裸になつて外部に露出する。
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