鉱物学雜誌
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示差熱分析装置
須藤 俊男
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1953 年 1 巻 2 号 p. 84-89

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抄録

 示差熱分析(differntial thermal analysis)は,古く1887年フランスのH.Le Chatelierによりはじめて考案されたもらであるが,最近においては世界を通じて,一つの大きい流行(言葉は多少不適当と思うが)の徴にある。すなわち毎月発行される地質鉱物関係の專門雜誌に,この示差熱分析曲線(一般にこれをD.T.A.曲線と略称する)が記載されていないことは少ない位で,しかも最近には粘土鉱物のみならず,その他の炭酸塩鉱物燐酸塩鉱物または或種の造岩鉱物(例えば角閃石のような)にも適用されまた推積岩の研究にも利用されつつある。 1950年秋に筆者の研究室において,示差熱分析曲線の研究が開始せられて以来,その裝置及び結果について,各方面より注目せられ,色々の問合せがあるので,ここに簡単な報告を試みる次第である。

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