日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
極性カーボンブラックの研究
(第1報) 水に分散するカーボンブラック
大北 熊一大谷 寛
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1957 年 30 巻 1 号 p. 14-17

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抄録

カーボンブラックを35%過酸化水素と酢酸及び硫酸の混液で酸化処理すると、稀薄なアンモニア水 (0.01~1N)、または苛性カリや苛性ソーダの水溶液 (0.01N程度) へ恒久的に分散するコロイドカーボンが出来る。酸化処理中に炭酸ガスの発生を認めるが、処理カーボンの目方は減少していない。
酸化条件によつては、処理カーボンの98%が水に分散可能であり、0.01N程度のアンモニア水へよく分散し、任意の濃度をもつたコロイド分散溶液がつくれる。更に、安定なコロイド溶液にすることも可能である。
しかし、このような極性カーボンの水への分散性と、その恒久的な女定化は、カーボンの種類や、酸化処理の条件、あるいはアンモニア濃度に支配される。
アンモニア分散媒体中のコロイドカーボンを凝析させるには、液を酸性にするか、あるいは電解質を加える。例えば、塩化ナトリウムや硫酸マグネシウムを加えて放置しておくと、すべてのカーボンが凝析する。

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