日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
微粉固体の表面処理による分散性の改良研究
(第1報) 表面処理について
麦島 与池田 和夫横田 正一
著者情報
ジャーナル フリー

1958 年 31 巻 2 号 p. 107-116

詳細
抄録
顔料粉体の表面処理による溶媒への分散性向上の問題は、近年著しく注目を浴びて来た。
我々は、この問題を採り上げ、粉体として炭酸塩、硫酸塩、酸化物及びベントナイト等の無機顔料を選び液相表面処理剤には種々の界面活性剤、気相のそれには、パラフィン、ステアリン酸、セチルアルコール等で行い、その吸着性を粉体の沈降容積、処理前後の溶液の表面張力等によつて検討した。尚、その表面変性による疎水性或は、非水溶媒への分散性を試験し次の結果を得た。微粉固体の表面処理による疎水性化には、一般に、カチオン活性剤、就中、オクタデシルアンモニウムアセテートが有効である。尚炭酸塩、硫酸塩については、石ケン処理も効果的である。バリウム塩は、他の粉体に比較して容易に、いずれの活性剤でも表面性質の改変が出来る。無水珪酸及びベントナイトの表面性質は少量の活性剤では改変し難い。以上の実験では、リグロインに対する各粉体の分散性は、僅に改善されるに過ぎない。気相処理法では、各微粉固体についてセチルアルコールが、最も、有効に表面性質を改変した。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本ゴム協会
前の記事 次の記事
feedback
Top