抄録
ジクロルエタンと四硫化ソーダ以反応により生成する所謂チオコールの生成反応について研究した. ジクロールエタンと四硫化ソーダの反応はNaClを生成して多硫化系ポリマーを生ずる. まず生成ゴム量とNaCl量の間に比例関係のあることを認め, ポリマーの生成速度をNaClの定量により各温度で求めた. この反応は二分子反応であると考え, 80, 60, 40, 20°Cでの速度恒数を求め, 活性化エネルギーとして19.4kcal/molを得た.
なお, チオコールAのラテックスを合成するに用いるMg(OH)2の量につき, 検討を行ない, ゴム生成速度に及ぼす影響についても実験を行なった.