1960 年 33 巻 6 号 p. 439-444
ゴム溶液に少量の各種の無機, 有機試薬を常温ないし80°Cにおいて作用せしめ, その粘度の時間的消長を験したところ四塩化錫, 塩化亜鉛, 四塩化チタン, 塩化アルミニウム, 塩化第二鉄, トリクロル酢酸, 塩化チオニル, 特に沃素 (日光直射下) にあっては粘度は急速 (数分) に一定値迄低下し, その間沃素価は終始不変であることを認めた.
この実験結果から天然ゴム分子は前述の各種試薬により比較的分裂され易い, ある種の異節結合により結びつけられていると推察した.