日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
ゴムの耐油耐溶剤性に関する研究
渡辺 茂隆
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1961 年 34 巻 10 号 p. 787-799

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抄録

各種鉱物油中での各種ゴムの膨潤状態を飽和に達するまで長期間 (ある場合は3カ月以上), 広い温度範囲 (30~150°C) で測定し, この吸収状態を有機溶剤中の場合と比較した. これらの測定結果を用い, ゴム中の拡散定数を Fick の式を用いて計算し, また Flory の膨潤平衡式によって“μ”定数を求めてゴムと液体間の親和性を比較した.
見かけ上の拡散定数 (D) は油の場合はほぼ10-9cm2/sec 程度となり, 有機溶剤の場合の1/100程度であり, Dの活性化熱は前者は10kcal/mol, 後者は5kcal/mol 前後の値となる. 油とゴム間のμはNBRで1.5以上, CRで0.5以上であり, 耐油性の乏しいSBR, NRでは0.1程度になる場合もある. これらの諸定数を一括して表示し, 二, 三の考察を行なった.

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© 一般社団法人 日本ゴム協会
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