ゴム製品が飽和水蒸気中で使用される場合があるが, 特にスチームホースにおいては, かなり高温多湿下で使用されるので, その1つの例として天然ゴムを取上げオートクレーブ中で加熱し, 強度変化を検討した. 即ち天然ゴムに代表的充てん剤を配合した加硫物を, オートクレーブ中で水蒸気圧力10kg/cm2で加熱処理した場合, その処理前の加硫時間差による強度が, 処理後においては当然のことながら低下して来るが, 加熱処理後に現われた加硫差によるそれぞれの間の強度変化はなくなって来る. このことは低加硫のものは適正加硫点を越して, 比較的平坦と思われる部分に移行するものと解され, またこの温度ではゴムが熱分解を起しているものと考えられた. また充テン剤は種類よりも量的関係の方が関係が深い.