日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
微結晶~ゴム状高分子系の粘弾性挙動
多成分系のレオロジー (第2報)
古田 勲中尾 実前川 悦治
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1967 年 40 巻 6 号 p. 463-466

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抄録

前報のいわゆる換算変数法を拡張した不均質二成分混合系に対する混合則 (現象論的) を既発表のいくつかの実験例に適用したところかなり高精度で一般的な適合性をもつと期待される結果がえられた.しかしこれらの実験は混合則のチェックのためになされたのではないので, これらの結果だけでは十分ではない.
0℃以下の低温でゴム試料の力学的性質を測定すると一般に結晶による影響が表われる.その程度はゴムの種類によってかなり異なり, ポリブタジエンのように著しいものやSBRのようにほとんど表われないものもある.そこで, まず微結晶~ゴム状高分子系として結晶化の著しいポリブタジエンを選び新混合則の適合性を調べた.実験は粘弾性スペクトロメータによって温度範囲-74~0℃および周波数範囲1~70C.P.S.で動的測定を行なった.その結果新混合則はこのような低温で微結晶を生ずる系に対しても高精度で適合することがわかった.

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© 一般社団法人 日本ゴム協会
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