日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
ムーニー試験機内におけるゴムの変形流動機構および諸測定値と各種粘弾性量との相互関係
ムーニー試験機によるゴムの諸測定値 (第8報)
安田 絃市高嶋 正昭二宮 和彦
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1967 年 40 巻 6 号 p. 472-484

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抄録

臨界緩和時間を導入する先報の理論ないし考え方, Mooneyのいわゆるレオロジカルユニツトに関する知見および未加硫ゴムの弾性の非線型性に関する最近の研究結果などを総合して, ムーニー試験機内におけるゴムの変形および流動機構にたいして現象理論的考察を行なった.その結果ムーニー指度の時間依存性に関する既報の実験式は一応現象理論的裏付が与えられることになり, 時間依存性に関する6個のパラメタはいずれも別な方法で測定可能な3個の粘弾性量と関係ずけられることになった.たとえば定常流動状態におけるトルクである (XL+YL) は
ksXL≅γsG′ (ω) |ω=γ0
ksYL≅γ0η′ (ω) |ω=γ0
によって近似的に記述される.ここにksはトルクをせん断応力に換算する際の係数であり, γsおよびγ0はそれぞれ定常流動時の弾性ひずみ量および試料に印加されるひずみ速度 (一定) である.G′ (ω) およびη′ (ω) はそれぞれ動的剛性率および動的粘性率の実数部で, いずれも角周波数, ωの関数である.これらの関係はいずれも実験によってすべて一応満足できる程度の精度で確かめることができた.

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