日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
EPDM加硫物の酸化劣化
ゴム物性と橋かけの結合様式に関する研究 (第6報)
井本 稔箕浦 有二後藤 邦夫原田 洋西平 公一藤田 英夫藤本 勝也伊豆田 哲弥河野 紘一藤岡 一介塩田 明大羽 希男尾下 広敏宇佐元 輝義
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1969 年 42 巻 3 号 p. 191-198

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抄録
橋かけの結合様式と酸化劣化の関係を応力緩和法と酸素吸収法により検討した.
橋かけの結合様式には (1) C-C, (2) C-C+C-Sx-C, (3) C-Sx-C, (4) C-C+C-R-Cを選んだ.
その結果 (3) は他の結合と比べて応力緩和のタイムスケールが広い範囲にわたり, かつ, その間でポリスルフィド化合物が老化防止剤としての効果をもつことから酸素による網目切断は緩やかであることがわかった.また, 酸素吸収の測定でも同一の結果が得られた.
他の橋かけ点構造物は空気熱酸化を受けると, 一次網目の切断が主として起こるのに対し, (3) は初期には切断したのと同数の橋かけを生成し, その後, 橋かけ反応が主として起こった.
なお, C-C結合にC-Sx-C結合を導入すると耐酸化劣化性は多少良くなることが認められた.
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© 一般社団法人 日本ゴム協会
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