抄録
橋かけの結合様式と酸化劣化の関係を応力緩和法と酸素吸収法により検討した.
橋かけの結合様式には (1) C-C, (2) C-C+C-Sx-C, (3) C-Sx-C, (4) C-C+C-R-Cを選んだ.
その結果 (3) は他の結合と比べて応力緩和のタイムスケールが広い範囲にわたり, かつ, その間でポリスルフィド化合物が老化防止剤としての効果をもつことから酸素による網目切断は緩やかであることがわかった.また, 酸素吸収の測定でも同一の結果が得られた.
他の橋かけ点構造物は空気熱酸化を受けると, 一次網目の切断が主として起こるのに対し, (3) は初期には切断したのと同数の橋かけを生成し, その後, 橋かけ反応が主として起こった.
なお, C-C結合にC-Sx-C結合を導入すると耐酸化劣化性は多少良くなることが認められた.