日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
破断スペクトルと粘弾性的性質との関係
古田 勲二宮 和彦
著者情報
ジャーナル フリー

1970 年 43 巻 7 号 p. 549-556

詳細
抄録
加硫ゴムの破断挙動とヒステリシス特性との相関に関する Grosch らの実験事実に着目し, これを利用して破断挙動の物質的特徴と, 非破壊時の粘弾性挙動の物質的特徴および両挙動の温度依存性との間の一般的な関係を導くことを試みた.
実際には, まず先般提案した力学的性質に関する物質関数表示法によって Grosch らの実験事実を物質パラメタ表示し, 次に各パラメタの温度依存性に着目して得られた結果を簡単化し, 最終的には破断スペクトルの物質パラメタによる数式表示という形式で次の関係を導いた.
bmaxb)/m=blogaT
ここにλbmaxおよびmは物質パラメタであり, logaT は移動因子である. またλbは破断伸長比である. bは温度によらない係数で実際にはパラメタmによってほとんど決まってしまう定数である. 係数bはλbがλbmaxを与える温度Tmaxを境とし, 低温側と高温測では値および符号が変わる.
これらの関係を一連の小規模な実験により検証した.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本ゴム協会
前の記事 次の記事
feedback
Top