日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
ベンジルアミノ誘導体およびアミノメチルフェノール誘導体の劣化防止能
渡辺 隆池田 成男今村 州男岩田 正弘
著者情報
ジャーナル フリー

1971 年 44 巻 3 号 p. 279-293

詳細
抄録

置換アルキル基のオゾン劣化に与える影響について, 無着色性劣化防止剤としてのベンジルアミノ誘導体, および抗酸化性を附与したアミノメチル化フェノール類を選び, ゴム溶液粘度低下防止能や配合ゴム試料のオゾンき裂発生状況などにより検討した. その結果, 置換ベンジルアミノ誘導体の場合, 置換基中にN原子を有するものは著しい効果を示すとともに, その数が増加すると効果はさらに増大することを確認した. また, アミノメチル化フェノール類の場合は, (1)アミノメチル基がフェノール性OH基に対しo-位よりp-位の方が, (2) アミノメチル基の置換基数の多いほど, (3) アミノ基の種類は-NMe<-NEt<-NC3H6OMe<-NC3H6NMe2の順に効果的であり, 特に, 置換基中のN原子の効果が著しいことが認められた. 一方, 抗酸化性についてはアミノメチル基をOH基に対しp-位に導入したもののみ効果的であり, o-位に導入したものは六員環の安定な分子内水素結合を形成していることが確認され, そのためOH基およびN原子の活性が低下するものと推定した. また, 置換アルキル基のオゾンとの反応について, モデル化合物としてN,N-ジメチルベンジルアミンをえらび, その主なオゾン化生成物がN-メチルベンジルホルムアミドおよびベンツアルデヒドであることを確認し, そのオゾン化機構を推定した.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本ゴム協会
前の記事 次の記事
feedback
Top