日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
エチレン•プロピレンゴムとスチレン•ブタジエン•スチレン•ブロック共重合体のブレンド
佐武 邦夫新木 涵人寺岡 勉井部 定雄
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1971 年 44 巻 3 号 p. 299-304

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抄録

エチレン•プロピレンゴムとスチレン•ブタジエン•スチレン•ブロック共重合体 (スチレン含量約25%1)) のロールブレンドにつき, 未加硫物のかたさや圧縮弾性率を測定し, ブレンド比に対する物性変化の様相と, ポリマーの分散状態に焦点を合わせて検討を行なった.
その結果, このブレンド系においては, かたさや圧縮弾性率がブレンド比に対してS字形の曲線を描いて変化することがわかった. いわゆる転相領域においては, ロール (表面温度約60°C) 再練りによる軟化現象も認められ, スチレン•ブタジエン•スチレン•ブロック共重合体の連続相が強固に形成されていることもわかった. これは, スチレン•ブタジエン•スチレン•ブロック共重合体を構成するいずれのブロックも, エチレン•プロピレンゴムと強い相互作用を有せず, スチレン•ブタジエン•スチレン•ブロック共重合体があたかもホモポリマーのごとく挙動し, エチレン•プロピレンゴムとの間でミクロ不均一混合系を形成したためと考えられる. ブレンド物の顕微鏡観察も行なったが, 両者がミクロ不均一に混合している状態が観察され, 上記の考察の裏づけとなった.

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