クロムを主成分とするめっきスラッジの有効利用として, 粉砕及び熱処理したスラッジを天然ゴムあるいは合成ゴムに配合し, いろいろな立場からスラッジの効果を検討した. その結果, スラッジの配合によってゴムのムーニー粘度は著しく低下し, 特にNR, IRに対してその効果が大であった. また, NBR, CRのような極性ゴムに対してスラッジは加硫促進効果を示し, 加硫剤あるいは加硫助剤として使用することができる. 加硫ゴムの引張特性, 接着性もスラッジの添加によってかなり向上し, 更に, 耐熱老化性も無添加のものと比べて大差がないことがわかった. したがって, カーボンプラックに代わる充てん剤としても使用できる.