日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
液状ゴム架橋物に及ぼす配合物中の水分の影響
箕浦 有二山下 晋三岡本 弘村主 昌義道口 義男山田 和夫
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1978 年 51 巻 5 号 p. 310-316

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抄録

水酸基末端液状ポリブタジエン (以下, HT-PBと略記する) 充てん剤などを配合し, ジイソシアナートを用いて架橋する際, 充てん剤中の水分が架橋ゴムの物性に与える影響は, その充てん剤の種類により異なる. すなわち, 水分を無視して末端水酸基とイソシアナートを等量比で架橋して得られた. HT-PB純ゴム及びカーボンブラック配合架橋物の物性は, 含水率の少ない0.1%以下で変化が大きく, それ以上のところではあまり変化がないことがわかった. 一方, シリカ配合架橋物は含水率の高いところで変化が大きい. また水分を考慮した水酸基に対するイソシアナート基の比, r(=[NCO]/([OH] +H2O)) が1.0から1.3にかけて, 純ゴム及びカーボンブラック配合架橋物の物性が最高を示めすが, シリカ配合物ではr=0.8のところに最高点があることが明らかとなった.

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© 一般社団法人 日本ゴム協会
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