日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
メタクリル酸メチルでグラフト改質したスチレン-ブタジエンブロック共重合体のエマルジョン接着剤への応用
奥村 城次郎山口 幸一角田 和成岸部 正行横山 督
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1983 年 56 巻 1 号 p. 23-31

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抄録

メタクリル酸メチルでグラフト重合改質したスチレン-ブタジエンブロック共重合体(以下, SBS-g-MMAという.)エマルジョンに各種粘着付与剤を添加し, 接着剤への応用について検討した. 粘着付与剤としては, ブタジエン相あるいはステレンとブタジエンの両相に相溶するものが有効であった. 粘着付与剤はエマルジョン化する前の重合溶液に, SBS-g-MMAの約10wt%添加し, エマルジョン化したものが, 高いはく離強さ及び皮膜物性を示した. 常温はり合わせ可能時間は, 粘着付与剤の添加により長くなった. 綿布と軟質ポリ塩化ビニルの接着では60°C, 7日間のエージングで, はく離強さの保持率は約60%であった. SBS-g-MMAエマルジョンへの市販ラテックスのブレンドによって, SBS-g-MMAエマルジョンの造膜性を改良し, 一方, SBS-g-MMAエマルジョンは, 市販ラテックスの改質材としても有効であることが明らかになった.

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