日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
加硫促進性を有する非抽出性抗酸化剤
中村 儀郎森 邦夫常石 牧子田村 浩作斉藤 由子
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1984 年 57 巻 12 号 p. 805-810

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抄録

抗酸化性置換基 [R: -NHC6H4NHC6H5, -N(i-C3H7)C6H4NHC6H5] を有する6-R-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール又は4,6-ビスR-1,3,5-トリアジン-2-チオールとMBTSの反応によって, 相当する6-R-1,3,5-トリアジン-2,4-ビス (ベンゾチアゾリルジスルフィド) (I) 又は4,6-ビスR-1,3,5-トリアジン-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド (II) が合成された. I, IIはIR, SBR及びNBRの加硫に対して加硫促進性を有する非抽出性抗酸化剤として作用して架橋鎖又は側鎖を形成し, 溶剤抽出後も優れた抗酸化性を保持する加硫ゴムを与える. I, IIの加硫促進性は特にTMTM, TMTDのような一般的加硫促進剤の併用によって一層向上する. ゴムに対するI, IIの反応 (結合) 率はIR及びNBRに対してそれぞれ20~36, 75~99%となる.

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