日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
防振ゴム材料の耐久性の一評価
竹内 勝政中川 正幸山口 寿夫奥本 忠興
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1993 年 66 巻 4 号 p. 247-252

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抄録

近年, 自動車の諸特性, 特に車両の静粛性に対する市場の要求が高まってきた.
この静粛性を向上させるためには, 自動車用防振ゴム部品のバネ定数を小さくすることが必要である.
しかし, バネ定数を小さくすると, 一般に部品の耐久性は低下する. このため, 静粛性の向上と併せて部品の耐久性向上も必要となっている.
防振ゴムの耐久性の評価は, 従来より主として実車での耐久走行試験と台上ベンチ耐久試験に頼ってきているため, 結果を得るまでに長時間を要している.
そのため, 短時間に耐久寿命を精度よく評価できる手法の開発が望まれている. 我々は, 防振ゴム用材料設計の評価段階で製品の耐久寿命が予測できる材料耐久疲労試験法を考案した.
本試験法は, ゴム部品の台上ベンチ耐久性試験時の最大引張りひずみの再現を狙いに, FEM解析により最適テストピース形状を設計し, 材料耐久寿命で製品寿命を推定できるよう工夫している.
また, 本試験法による材料の耐久寿命は, 最大引張りひずみをパラメターとすることにより, 耐久寿命との関係を求め, 得られた結果は, 部品の台上試験とよい相関関係が得られ, 製品の寿命を迅速に精度よく推定することが可能である.

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© 一般社団法人 日本ゴム協会
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