二次元密閉混合機においてブタジエンゴムを素練りした場合のローター羽根形状とボイド体積変化を調べた. また, ゴム分配の良好なローター羽根に対してイオン交換樹脂のブタジエンゴムへの分散混合挙動とゴム中に生成消滅するボイドとの関係を検討した.
ゴム中のボイド体積は, ローター羽根後方形状により異なった. 羽根後方が凹面状にえぐられたローター羽根は, ボイド体積が大きく, ラム下ブリッジ上領域に存在するボイドによりゴムが効率よく移動することがわかった.
ボイド又はゴムの自由表面は, ブリッジ通過後にチップ後方ゴム中に生成し, 回転中に生長してラム近傍で他の混合室から押出されたゴムと衝突して消滅した.
ラム下に投入されたイオン交換樹脂は, ゴム衝突時に自由表面に付着してゴム内部に取り込まれ, ラム下ブリッジ上領域で引き伸ばされて両混合室の鎌状領域に分配され, 各混合室においてローター羽根回転間に表面更新の激しい鎌状領域で引張りとせん断を受けて分散された. この分配と分散がラム下ブリッジ上領域と両混合室で交互に繰り返されて混合が達成されることがわかった.