地理学評論
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富士五湖の湖沼學的研究
(1) 河口湖,精進湖の形態
吉村 信吉川田 三郎
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1942 年 18 巻 6 号 p. 441-455

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抄録

1.昭和16年9月河口湖に於て204,精進湖に於て98の錘測を行つた。
2.兩湖共水位の變化が大きいので,河口湖に於ては停止水位(-1.06m),精進湖に於ては量水標基準點(0m)の水位を以つて基準とした。この水位は河口湖に於ては近年の平均水位よりも稍〓低く,最低水位(-3.3m)よりも2.2m高い。又精進湖に於ては過去30年間の最低水位よりも尚0.5mばかり低い。
3.河口湖は中部にある鵜ノ島を境にして東西の兩湖盆に分れ,その各〓は更に淺い湖嶺によつて別々の湖盆をなしてゐた。上記水位に於ける最深點は鵜ノ島の西にあつて15.4mである。
4.精進湖は環礁状の熔岩半島によつて3つの部分に分たれてをり,北部に11.2mの最深點がある。西の入江には夫々5.5m及び7.0mの深さの副湖盆あるが,高水時には主湖盆との間の湖嶺下の深さは夫々5m及び11.7mである。從つて我國に於て2以上の副湖盆を有つ湖は6になつたが, 1を除き皆火山噴出物の堰止によつて出來たものである。

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