地理学評論
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鬼怒川流域の地下水(予 報)
山本 荘毅谷津 栄寿品田 毅星野 朗中村 清史
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1954 年 27 巻 6 号 p. 263-267

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抄録

鬼怒川流域に於て民家の井戸を使つて測水,測温,水素イオン濃度測定を行つた結果次のことが知られた.尚調査は上流地域を1951年8月に,下流地域を1952年10月下旬から11月上旬にかけて行つた.
1) 地下水面迄の深さは台地に深く低地に浅いが全般的に見て北部に深く南部に浅い.
2) 地下水面の形態は上流に単純で下流に複雑になる.
3) 河川と地下水との交流関係を見ると鬼怒川上流では伏流滲透,西鬼怒川では涵養滲透,田川では中立関係,五甞川では涵養滲透である.
4) 低地の地下水温は上流で20°C,下流16°Cであるが台地の夫れは上流で16°C,下流で14°Cである.
5) 低地の水素イオン濃度は上流で6.1~6.2,下流で6.4であるが台地の夫れは上流で5.8,下流で5.8~6.0である.
6) 宙水水が台地北部の宝積寺附近に,自噴水が下流に見られた.

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