1964 年 37 巻 4 号 p. 183-197
自動車時代以後のニューヨーク都市人口のはげしい郊外化は既報の通りだが,それに刺戟されて商業機能の郊外進出もめざましい.初期は都心商店のバラバラな郊外支店として, 1950年以後は組織的な郊外商業核として進出した.そのうち大規模な商業核は商店群以外に各種の機能を附加し,東京の副都心を小型にした観がある.しかも都心から20~30kmもはなれて分布しているので,地域社会の日常生活上の核として,郊外独立化の原動力となつている.かくて,都心側は商業的に衰退傾向にあり,巻き返し政策も充分の効果はないようだ.