抄録
伊豆新島は,主として第四紀火山活動による流紋岩質熔岩と,その灰砂とから成るいくつかの火山の集合体である.このことは,過去の諸研究によってあきらかにされていたが,筆者は,これらの灰砂と熔岩との関係づけを,新たに地形学的見地から,いくつかのホマトロイデの形成という形で行なった。そして,これによって従来の諸説の修正と補足を兼ねるとともに,とくに灰砂層の堆積について論議されてきた海成,陸成の両説に関して,新たに発見した二・三の事実などをも総合して,灰砂層のすべてが,ほぼ陸成と見られることを結論づけた.