地理学評論
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漁港発達の諸型
大崎 晃
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1967 年 40 巻 3 号 p. 131-142

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抄録
日本の主要漁港を,形成過程と地理的条件から分類したところ,三つの型を認めた.「下関型」は,他地域からの外来漁業者と漁港の仲買・問屋層が結びついて発達した漁業根拠地で,後に仲買・問屋層も直接漁業生産に進出する漁港である。「三浦三崎型」は,「下関型」のように外来漁業者の根拠地として開かれたが,仲買・問屋層は漁業生産面に進出することなく,商業資本として止まった漁港である.これらに対して「焼津型」は,地元漁業の発達によって漁村から成長した漁港で,小生産者組織たる漁業協同組合が経済事業の中核になっている.
従来漁港の概念は,漁業「産業の中心地」で「工業都市」に照合するようにみなされてきた。この概念に該当するのは「下関型」・「三浦三崎型」漁港で,両者は産業中心地形成が早かった。しかし近年「焼津型」漁港の産業中心地形成が進んで,数量的にも前二者を上まわっている.本邦の漁港形成は,このように二つの方向からなされたもので,従来のように漁港を一元的に解釈することは再検討されねばならないだろう.
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