地理学評論
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八郎湖岸農漁村の変貌
北條 壽
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1968 年 41 巻 3 号 p. 180-190

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抄録
世紀の干拓といわれた国営八郎潟干拓事業も,中央干拓および周辺干拓造成工事を終了して一段落した.
これらの干拓によって潟面積は著しく縮小,潟漁業も大巾に制約されて衰頽し,従来潟漁業に多かれ少なかれ依存してきた湖岸農漁村は,当然それなりに転換を余儀なくされることになった.
元来湖岸地帯は主農副漁地域であったが,周辺干拓における造成水田の配分によって耕地を増し,基本的には一層農業依存を強くした.
しかしながら農業によって自立し得るものは極めて少く,結果的には賃労働あるいは出稼を兼業とする農家を著しく増加せしめた.
他面干拓に伴う漁業補償は家屋等の新増改築を促し,かつての村落景観を大きく変えたのみならず,農漁民の職業転換や生産基盤を強化するとともに,農家の農機具保有,家庭電化等を促進した.
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