地理学評論
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利根川下流域における地下水—特に小見川・佐原・鹿島地域における地下水の塩素含有量について—
木内 四郎兵衛岩下 茂子
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1968 年 41 巻 7 号 p. 450-460

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抄録
利根川下流域の沖積平野における地下水中の塩素含有量の分布を調べ,塩素の起源について若干の考察を行ない,次の結果を得た. 1) 利根川下流域の地下水中の塩素含有量は,局部的に非常に多いところがある. 2) 小見川,佐原,鹿島地域で,利根川の右岸と左岸とを較べると,その量は非常に異なっている. 3) 右岸の佐原地域においては, 1,000mgcl-/L以上の大きい値を示す所が数ヶ所見られ,これらは,ある帯状の分布を示している.小見川地域の場合にも帯状を示すが,これは,明らかに井戸の深い地域と一致し,基盤上の化石谷と一致している. 4) 右岸の帯状を示す地域の塩素含有量は,利根河口堰工事現場の河床に湧出する地下水のそれに類似している. 5) 調査地域の最近世の地史等から考えて,調査地域の地下水中に塩素含有量の多い帯状を示す地域の塩素は,化石海水に由来するものと考えた. 6) 化石海水の絶対年代は,帯水層の堆積の時代から判断して, 1~1.5万年であると推定される. 7) この化石海水は,中性ないしは微酸性を呈する.
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