抄録
東北地方の各地域における花粉分析のデーターを比較検討した結果,東北地方においては, B. P. 2,500年前後を境として,これまで優占していたQuercusが減少し,かわってFagzcs, Cryptomeriaが増加する植生変化が,共通して認められた.考古学的には,縄文時代晩期にあたるこの時代を境としての, Fagus, Cryptomeriaの増加は,気候の冷涼・湿潤化を示すものと考えられた.また,東北地方におけるこうした後氷期後半の気候の冷涼・湿潤化は,それ以外の北日本全域,さらにはヨーロッパにおいて述べられた気候変化の事実とも,対応することが考えられた.