地理学評論
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木曽川平野表層堆積物の粒度組成
森山 昭雄
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1977 年 50 巻 2 号 p. 71-87

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抄録
河成平野の形成機構を知る上で基礎的材料である表層堆積物の粒度組成を,日本の代表的河成平野である木曽川平野について調べ,考察を行なった.分析はフルイ法と光透過法の組み合わせ(森山, 1976a) によった.現河床や河畔砂丘を構成している砂質堆積物と,扇状地の表層や自然堤防および後背湿地などを構成している泥質堆積物とは,平均粒径と歪度をパラメーターとして明瞭に区別され,泥質堆積物では両者の間に強い負の相関が認められた.さらに,正規確率紙上の頻度分布を定量的に2つの正規分布集団に分離した結果,ほとんどの堆積物が,その堆積環境が異なるにもかかわらず,淘汰の悪い細粒のclay populationと淘汰の良いsand populationの組み合わせから成っていて,シルト粒径にはsub-populationの平均値が存在しないことが明らかとなった.地形要素別に作成したヒストグラムにも, 5φ前後の“谷”が認められることから,この粒径は山地斜面における岩石の風化作用と運搬過程における岩石の摩耗・分解によって生産されるsand populationとclay populationのちょうど中間にあたり,生産されにくい粒径であると解釈した.本報告を「沖積平野および浅海底の地形と粒度組成その3」とする.
愛知教育大学・地理
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