Howe & Linaweaver (1967), Grima (1972) らは,水需要関数モデルを設定し水需要構造の分析を行なっている.本研究では,立川市で実施したアンケート調査をもとに家庭用水の需要構造を分析する. 1世帯当たりの水需要量を目的変数,家族人数・所得および5つのダミー変数を説明変数とする家庭用水需要関数を,重回帰分析により導いた.その結果,水需要の所得弾力性はゼロで,所得は需要の重要な因子ではないこと,水需要は家族人数に関して非弾力的であることが示された.また,水需要の分布関数モデルを設定することにより,核家族の増加は家庭用水原単位1 (m3/世帯・年)の減少と同II (l/人・日)の増加をもたらすことが明らかとなった.今後の家庭用水の需要構造に著しい変化がなければ,家庭用水の原単位は一定の値に近づくものと推定される.