地理学評論
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サイクリックな排水網とその相対成長について
徳永 英二
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1979 年 52 巻 3 号 p. 126-136

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抄録
筆者の提案するサイクリックシステムを基礎に,排水網の相対成長に関して考察した.このサイクリックシステムの構成に関する法則は,パラメター表示の数式で表わされ,かつ,あるランダムグラフモデルの構成に関まる法則を特殊例として包含するゆえ,このシステムによって,“サイクルが連続するシステム”に対応する流域の定常状態とエントロピー最大に対応する流域の安定状態との関係が明らかになる.このサイクリックシステムを次の条件を満足する排水網と定義する.κελをk次の水路1本に側方より流入するλ次の水路の数の平均値, ε1κεκ-1, Kを(κελ/κεκ-1)1/(κ-λ-1)とした場合, ε1およびKは,同じ排水網内ではκやλの値によらず,それぞれ一定の値をとる.m(t)を時刻tにおける流域の次数,lを与えられた縮尺の地形図や空中写真で表現され,排水網構成の式でとりあげられる水路の最低次数とすれば,このシステムの相対成長を近似的に表わす式は,
〓となる.ただし,

この式にε1=1, K=2を代入することにより,ランダムグラフモデル(位相約に7ン女ムな蕪葭大の水路網内の部分水路網の平均状態もしくは最確状態)の相対成長を表わす近似式が得られる.すなわち,動的平衡状態にあると考えられる系が,エントロピー最大の系を特殊例として包含するのである.上記の式は,サイクルが無限に連續するモデルでは,(m(t)-l)の値が無限代の場合は完全に成立し,(m(t)-l)の値が有限な場合は、その値が大きいほど,よりよい近似式となる.
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