1941~970年の毎日の気圧配置ごよみを使って,気圧配置型の変化に注目し,次の三つの事項についてマルコフ解析を行なった. (1) 30年間を一括した気圧配置型の推移, (2) 1941~1950年,1951~1960年,1961~1970年の10年ごとを一括した気圧配置型の推移, (3) 14季節(初春・春・晩春・初夏・梅雨・夏・晩夏・初秋・秋雨・秋・晩秋・初冬・冬・晩冬)の気圧配置型の推移.解析方法としては,推移頻度行列,推移確率行列,独立生起行列,差行列,推移行列のエントロピーを計算した.こうして気圧配置型の推移パターンに湘することによって,従来行なわれた“静的”な出現頻度からでは表現できなかった気圧配置型の“動的”な特徴を,各期間および各季節において明らかにすることができた.