抄録
北海道の結節地域構造の解明を目的に,多変量解析を用いて, 1971年秋季の道内におけるトラック交通流動を量的側面ばかりではなく,質的側面からも分析した.その結果, (1) 地区間交通流動がつくり出すトリップ圏は, 8中心都市をはじめ多くの農村中心地を交通流動の焦点とし,相互には道内各地で相互補完関係・重層関係にある, (2) トリップ圏の分布の検討により設定しえた21の交通地域(結節地域)は,空間的にはほぼ独立しており,その区分線は支庁界や山脈にかなりの部分で一致している, (3) トラック交通流動の質的特徴を表わす発生・集中交通の地域特性は,都市交通密度,農村交通密度,大型車の交通密度,交通の規模,交通の外部接触度,の5特性により代表される, (4) 上記5特性の評価値に基づく21交通地域の分類によれば,北海道は特有の個性を有する5種類の交通地域から構成されている,などが明らかになった.こうした交通地:域構造の時間的安定性は今後に検討を期したい.