日本列島において,広域気流型別およびひと雨継続時間別の,降水出現の日変化を解析した.降水出現の日変化は,ひと雨の継続時間が11時間以下のときに明瞭に現われる.また広域気流型により降水出現の極大が現われる時間帯も異なる。主要な広域気流型のもとでの,ひと雨継続時間1!時間以下のときの,降水出現の極大の現われ方は,以下のとおりである.1)夏期に全国的に海陸風が吹走するときには,九州以北の島嶼や沿岸では朝(4-9時頃),内陸では夕方(16-21時頃)に現われるのに対し,南西諸島では昼(10-15時頃)に現われる。2)夏期に南岸地域を中心に北東風が吹走するときには,全国的に島撰や沿岸では朝,内陸では夕方から夜間(22-03時頃)に現われる.3)冬期に北西季節風が全国的に吹走するときには,本州以北の日本海側では極大が不明瞭であるのを除いて,全国的に朝に現われる.