地理学評論 Ser. A
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奥地山村における青年男子従業者の就業過程
岐阜県郡上郡和良村を事例として
梶田 真
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1998 年 71 巻 8 号 p. 573-587

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抄録

奥地山村の地域経済は公共部門への依存によって特徴づけられる.本研究では岐阜県和良村における青年男子の就業過程として移動および職業歴を調査し,奥地山村における職業構造を分析した.その結果,後継者などを除くと村内の職業は従業員の現職就業年齢と学歴によって3グループに分類されることが明らかになった.第1の役場・農協の事務職員のグループは現職就業年齢が最も若く,学歴は最も高い.このグループは高賃金と福利厚生制度の充実によって特徴づけられる.第2の建設業・誘致工場労務職のグループは現職就業年齢の面では役場・農協の事務職員のグループに準じるが,学歴は低い.そして第3の中小工場労務職のグループは現職就業年齢が著しく高い.また高齢従業員の引退に伴う青年労働力の更新が可能になっているのは役場・農協の事務職員のグループのみで,他の二つのグループは労働力不足の問題が深刻化しつつある.

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