スリランカにおける気候要素と米作との関係を分析し,次のことを論じた.第1に最近の110年間について米の収量の長期傾向をみると1950年までは年々の変動は小さく,その後は大きい。第2に水稲栽培に関係する気温・降水量・放射・蒸発散などの気候要素との関係を論じ,最も強い制約を与えるのは降水量であることを示した.第3に米のは種および収穫面積,収量と降水量との関係を相関係数と傾向線の分析によって示した.その結果,これらの米作の諸量:は降水量偏差との2次式で表現される。第4には特にドライゾーンにおける潅漑の重要性について議論した.最後に,最近の米作における諸問題を展望した.種々の農業気候の問題のうち,米作を進展させ,干ばつ常習地域における減収を軽減するために2~3の提案を行なった.