一般的な圧力・温度検層の既存データ(坑井仕様と流量を含む)を利用した,コスト効率が良い坑井内摩擦圧力損失の調査手法を提案する。本手法では、圧力測定値を坑口圧力・慣性力・摩擦力・重力の各成分に分解して抽出した,摩擦圧力損失のプロファイルを作成する。現実の生産井と試験井に適用した結果,スケール付着,ケーシング径の変化,設置されたマルチステージ・セメンチング用のツールとの対応を示唆するアノマリーと,その時間的変化を見出すことに成功した。更に増角区間終点付近での摩擦圧力損失の増加から,堆積物の存在が推測された。