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国際情報研究
Vol. 13 (2016) No. 1 国際情報研究 13巻1号 p. 3-14

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http://doi.org/10.11424/gscs.13.1_3

審査論文2016

本稿は、先行研究で示された「ビジネス英語スピーチにおける概念メタファの時系列的構造」をさらに明確にするために、アメリカ大統領の政治スピーチを新たに比較検証することで、ビジネススピーチ特有の概念構造とは何かを明からにするものである。まずは先行研究で分析された2005年~2010年のビジネススピーチ60本に、同じく2005年~2010年に発表されたブッシュ/オバマ両大統領による20本の政治スピーチを加え、合計で20万語を超えるコーパスを独自に構築した。それらを先行研究と同じ手法で分析・比較検証した結果、概念メタファの「(1)量的」「(2)分布的」支配性に加えて、先行研究で新たに立証された「(3)時系列的」支配性の存在が、政治スピーチにおいても確認された。さらに、メタファグラムによる比較分析では、「メタファの量的変化」が、政治スピーチでは「均等な分散」と関連する一方、ビジネススピーチでは「(3)時系列的支配性」と高い相関を示すという違いが判明した。メタファの「量的推移」と「時系列的な起伏」が相関関係にあるのがビジネススピーチ特有の概念構造であるという発見をふまえ、ビジネススピーチのメタファ分析における時系列的概念の重要性が、改めて支持される結果となった。

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