日本らい学会雑誌
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多菌らい患者の多剤併用療法
N. M. SAMUELS. SAMUELR. B. ADIGA
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1986 年 55 巻 3 号 p. 65-71

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抄録

ネパールのアナンダバンらい病院において,380名の多菌らい患者の多剤併用療法が行われた。併用療法に用いられた薬剤はリファンピシン,DDS,クロファジミン(B663)およびイソプロディアン(INH,プロチオナミド,DDSの合剤)である。この治療は結核の短期化学療法をモデルとしている。
全症例において臨床的にも細菌学的にも顕著な改善が見られた。A群患者は24∼32カ月後にらい菌陰性となった。一方,B群では36カ月治療後においても,なお皮膚塗抹標本で菌陽性であった。しかしながら,5薬剤を投与したC群患者は明らかな臨床的,細菌学的改善が示された。クロファジミンによる変色で治療を中断した例はなかった。
我々の薬剤投与法は安全であり,有効で,さらに経済的であることが確められた。

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