日本らい学会雑誌
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Hansenとらい菌の発見
Paul F. Mange
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1994 年 63 巻 1 号 p. 17-29

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抄録

Gerhard Henrik Armauer Hansenは,鋭い科学的洞察力と強い個性の持ち主であった。彼は医学細菌学や疫学がまだ揺藍期にあった1841年に生まれた。Hansenのこの2つの特質は,ノルウェーかららいを根絶しようという,彼の生涯の目標への妨げとなっていた様々な障害を克服するために,必要な資質であった。Hansenは,自分の上司であり義父にもあたるDaniel Cornelius Danielssenが,社会に広め,頑なに守っていたらいについての学説を否定し,1873年にらい菌を発見した。その後Hansenは,この成果を応用してらいの拡大を防止するために,1877年と1885年,2つの重要な法律を制定した。Hansenの方式は,らい対策の最良の方法として後年国際的に受け入れられたが,そこに至るまでにHansenは,様々な障害とひとりで闘い,勝利しなければならなかった。

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