多発性骨髄腫の自家造血幹細胞移植(autologous stem cell transplantation,ASCT)は若年者において従来の化学療法より優れる治療法として認識され,標準療法として確立されてきた。2000年代に入り,新規薬剤(thalidomide,bortezomib,lenalidomide)が臨床で使用可能となり,それらを移植前寛解導入療法,移植前処置,移植後地固め・維持療法に組み込んだ臨床試験が様々報告され,従来と比べ治療成績がさらに向上しつつある。今後,新規薬剤を用いた治療戦略の変化により,CR率の改善やPFS,OSの延長が期待されている。最近では第二世代の新規薬剤(carfilzomib,pomalidomideなど)および抗体医薬(elotuzumab,daratumumab)が開発されてきており,更なる治療成績の向上が期待されている。