日本造血細胞移植学会雑誌
Online ISSN : 2186-5612
ISSN-L : 2186-5612
総説
ゲノム編集技術による遺伝子治療のさらなる展開
小野寺 雅史
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2018 年 7 巻 2 号 p. 32-39

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抄録

 現在,遺伝子治療は 「疾患の治療や予防を目的として遺伝子又は遺伝子を挿入した細胞を人の体内に投与すること」 と定義され,変異遺伝子はそのままに機能的な遺伝子を新たに追加する方法が採られている。ただ,gain-of-functionにより発症する疾患やベクター挿入による腫瘍発生の問題もあり,近年,CRISPR/Casシステムを始めとする遺伝子編集技術による遺伝子治療の開発が急速に進められている。本稿では,現行の 「Gene additionによる遺伝子治療」 の問題点と今後の展開が期待される 「Gene correctionによる遺伝子治療」 に焦点を当て,その有効性,安全性,さらにはそこに生ずる倫理問題等を考える。

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© 2018 一般社団法人 日本造血細胞移植学会
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