2018 年 7 巻 3 号 p. 98-106
同種造血幹細胞移植(allogeneic hematopoietic stem cell transplantation,allo-HSCT)前の運動耐容能が高い患者と低い患者での移植治療過程における身体機能の変化の特徴を明らかにすることを目的とした。対象はallo-HSCTを施行しリハビリテーション介入を行った57人のうち身体機能評価に欠損がない32人とした。移植前の6分間歩行テストの中央値より上位であった群(以下,上位群)と下位であった群(以下,下位群)に分類した。本研究の結果,移植後の身体機能の変化は上位群,下位群ともに同様の傾向を示していたが,上位群は下位群と比較して各身体機能はどの時期においても有意に高い値を示していた。本研究の結果よりallo-HSCT後の身体機能の変化は一定の傾向を示しており,移植前の身体機能が高いほどより高いレベルで身体機能が推移する。