弘前医学
Online ISSN : 2434-4656
Print ISSN : 0439-1721
原著
呼吸同期 4D-CT を用いた肺癌に対する体幹部定位放射線治療計画における4次元的線量計算の検討
川口 英夫 青木 昌彦畑山 佳臣小野 修一
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キーワード: 4D-CT, 肺癌, 体幹部定位照射
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2011 年 61 巻 2-4 号 p. 114-121

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抄録

【目的】4D-CT を用いて呼吸性移動の線量計算に対する影響を検討した.
【対象・方法】4D-CT を撮像した14例を対象に平均画像を用いて非対向6門で治療計画を作成した.計画を各呼吸位相の CT に貼り付け MU値を計算し,呼吸位相毎に平均画像の MU値と比較した (MUdiff).また,各門毎の変動を計算した (⊿MU).呼吸性移動をビームの平面方向と垂直方向に分離し,それぞれ⊿MU との相関を検討した.線量計算は Clarkson法 (C法), superposition法 (S法)の2つを用い比較した.
【結果】MUdiff は C法では吸気相以外で,S法では終末吸気・呼気のみで有意差を認めた.⊿MU は C法では平面上方向・垂直方向に中等度相関を認めたが,S法では垂直方向のみに弱い相関を認めた.
【結論】C法は呼吸性移動の影響を受けやすく,S法は影響が少なかった.呼吸性移動を加味した線量計算は S法が有用と考えられた.

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© 2011 弘前医学編集委員会
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