2011 年 19 巻 1-2 号 p. 109-116
スギ科のばらけた葉は,生殖器官が伴わないかぎり,識別し分類することは普通困難である。スギ科の複数の属や,それにイチイ科やイヌガヤ科もおなじ堆積物に包含されている場合,あるいは保存状態が悪い場合には,識別は一層困難となる。分離したスギ科の葉化石の識別を容易にする目的で,イヌガヤ属とスイショウ属,セコイア属,ヌマスギ属,イチイ属,カヤ属の現生種の葉を検討した。その結果,外部形態による葉の分類システムを構築することができ,分離した葉化石の識別と分類に貢献することとなった。