抄録
東京湾岸の小楢川河口域における母植物の分布と表層堆積物中の植物珪酸体の分布とその風化度を比較し,植物珪酸体の運搬様式と保存性を論じた。表層堆積物中から得られた植物珪酸体は,コウポウシバ型・ケカモノハシ型・ヤマアワ型・ヨシ型・シオクグ型・ホソムギ型・チガヤ型・イヌムギ型・アイアシ型の9タイプに同定した。それらの分布様式から,はじめの5タイプが運搬され難い特性をもち,残りのタイプは運搬され易いことが示された。ほとんどの植物珪酸体は葉身が分解した後,シルト・極細粒砂サイズの堆積物と挙動を共にしながら地形の傾斜変換点や塩水沼といった窪地に風によって運搬されることが示唆された。