植生史研究
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鹿児島県水迫遺跡出土石器の残存デンプン粒と 縄文時代草創期・早期における植物利用
渋谷 綾子
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 21 巻 2 号 p. 55-66

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抄録
鹿児島県水迫遺跡で出土した縄文時代草創期から早期の石器に対して残存デンプン粒分析を行い,石器の用途や当時の遺跡における植物利用について考察した。分析した13 点の石皿や磨石,敲石からは合計240 個の残存デンプン粒を検出した。使用痕と残存デンプン粒の両方が検出された石器は植物加工に用いられた可能性が考えられ,使用痕は確認できるが残存デンプン粒を検出しなかった石器については,石器製作用など他の目的に使用された可能性とデンプン粒が遺存していなかった可能性を考えた。1 つの石器から異なる形態のデンプン粒を検出した事例からは,これらの石器を用いて2 種類以上の植物が加工された可能性を指摘した。残存デンプン粒と現生植物のデンプン粒標本との形態的な比較により,残存デンプン粒の由来となる植物の候補として16 属31 種が挙げられた。残存デンプン粒の外形と粒径の比較から,これらの植物にはクリやコナラ属,オニグルミなどの堅果類,ワラビやクズなどの根茎類が含まれている。
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© 2012 日本植生史学会

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